社労士は独立開業するべき?迷ったときに考えるべき3つのポイント

社労士は独立開業するべき?迷ったときに考えるべき3つのポイント

社会保険労務士は、独立開業型の資格です。多くの社労士の方々は将来的に独立を考えて、資格を取得しているのではないでしょうか?
世間的に、“独立”と聞くと
「資金力が全て!」「広い人脈がなきゃ意味がない!」などの考えがあるかと思いますが、
社労士に関してはそのようなことがないためメリットが大きいように思います。

しかし、だからといって気軽に独立してしまうのも危険です。

そこで今回は「社労士は独立開業するべき?迷ったときに考えるべき3つのポイント」をお伝えします。

この記事を読んで、メリット・デメリットをしっかりと判断して独立開業をするかどうかの判断の目安になっていただけたら幸いです。

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1.社労士が独立するためには?

社労士の資格を持っているからといってすぐに独立できるわけではありません。

社労士試験に合格し資格を取った後、2年以上の実務経験が必要です。

もし実務経験がない場合には、事務指定講習を受講することが義務付けられています。
講習内容は通信教育4カ月と面接指導課程が4日間あります。

これらの準備が終わって独立する準備ができたら、全国社会保険労務士連合会に登録することによって、ようやく社労士名簿に記載されるようになります。
登録には費用がかかり、全国社会保険労務士連合会と社労士会の2か所で行うことが可能です。

登録の費用は、手数料3万+免許税2~3万+入会金 がかかります。
費用はパターンによって変動があるのでご自身で確認することをおススメします。

 

2.現在開業している社労士事務所の実態とは?

2022年の厚生労働省の調査によると、社会保険労務士の平均年収は約780.8万円です。
これに対して勤務社労士の1人あたりの年収は、450万円前後と言われています。
この数値を見ると、開業をして事務所を持った方が売上を多くすることができるのではと思われがちですが、年収はあくまでも平均なので開業をすれば稼げるということではないことを注意しておく必要があります。平均年収が高いということは極端に稼いでいる人が多い場合でも同様の数値になります。極端に稼いでいる人数よりも、平均年収より低い人の方が多いことが現状です。

 

3.開業社労士?勤務社労士?それぞれのメリット・デメリット

社労士として仕事をする場合、開業をするパターンと企業に勤務するパターンの2つの選択肢があります。社労士試験に合格したうえで社労士として働いていく場合にも、どちらかを選択して登録をしていきます。ここでは、それぞれのメリット・デメリットについてまとめます。

a.開業社労士のメリット

社労士が独立開業するメリットは、自分が努力して蓄積してきた知識を生かしていくことが可能です。その知識のなかで自分の裁量に合わせて仕事を行うことができるので、努力した分だけ収入につながることは大きな利点ではないでしょうか。また、直接的に顧客の問題が解決できるためやりがいを強く感じやすい環境であることは間違いありません。

現代社会において、日々新規に設立される会社は数多くあります。その数だけ顧客が存在するということになるため、顧客のニーズに合った仕事をしていくことで、助かる会社も多く自分自身の収入にもつなげることができます。年収が多い社労士というのはほとんどが開業をしている方です。時間も自分で調整が出来るため自分のペースで高収入を目指しつつ、やりがいを感じることができる可能性が多くあるのが開業社労士といえるでしょう。

b.勤務社労士のメリット

勤務社労士というのは、企業で業務を行う社労士のことを指します。また、社会保険労務士事務所・社労士法人に入って働く場合も含みます。基本的には総務部や人事部に配属される方が多いです。社内での地位が確立されているため、社会的地位が安定しているだけでなく収入面でも心配はないでしょう。資格があることで、転職の際には有利にはたらくというだけでなく資格手当を受け取ることができる企業もあるということが大きな利点となります。
事務所に勤務している社労士の方々は将来的に独立を視野に入れたうえで就職される方が比較的多いといえます。社労士事務所で働くことで独立する際に気をつけておくノウハウをしっかりと経験できること、また勤務している事務所で起こる問題に対応しておくことで問題処理能力を勤務している状態で身につけていくことができます。

c.開業社労士のデメリット

開業したからといって自分が動かずに仕事が舞い込んでくるわけではありません。“士業”と名のつく専門家はほぼ飽和状態であると言っても過言ではありません。そのような状況で最も重要なのは“営業力”であるといえます。

先にも述べた通り平均年収は500万円ほどですが、実際には大きなばらつきがあります。企業と顧問契約を結んで業務にあたることも多いですが、税理士等に比べれば顧問単価が低いため顧問契約によって売上がしっかりと成り立つという保証はありません。営業をしっかりと行っていくことによって顧客を獲得していくことが成功につながるでしょう。なんの営業活動も行わなければ売上は獲得できなくなり、事務所経営が出来なくなってしまうことになります。

d.勤務社労士のデメリット

会社や社労士事務所に雇用されているという状態である限り、自分のペースで仕事をしていく時間の自由や、収入をあげることなど開業社労士が持つメリットの部分は諦める必要があります。その部分を気にすることなく雇用されている立場にある方が安心で責任が重くないという考えのもとであれば、このようなデメリットを気にする必要はありません。

社労士が独立開業するメリットとデメリットの比較図

4.社労士は独立するべき?迷ったときに考えるべき3つのポイント

先に述べたメリット・デメリットを考慮したうえで、本題の独立開業を考えるうえで最も重要なポイントをまとめます。

重要なポイントはたった3つです。ここを自分自身と照らし合わせて考えることをおススメします。

a.事前準備を徹底してできるか?

開業をして社労士として営業をしていく場合、ある程度の資金が必要になります。
事務所を自宅とは別で持つことを検討している場合には、想像しているよりも多くの資金がなくては厳しいです。船井総研では差別化の8要素のうち、「立地」が一番に挙げられています。それほどまでに事業を展開していくうえで重要と考えられている立地の部分の妥協は絶対に避けたいものです。そのためにも資金はしっかりと準備をしておくことに越したことはありません。なんとかなる!とは思わずに色々な手続きを始める前に、十分な準備をしておくことが重要となります。

これらの資金を調達するためには、いくつかの方法があります。
まず、1つとして開業を目指しつつ社労士事務所で働くことです。実務経験や人脈形成をしつつ、資金調達をすることが出来るので効率的であると言えます。
また、本業として収入を得るのではなく社労士学校や通信講座で講師を務めるなどして収入を得ることができます。
多くの経験を積みつつ、最新の事情に触れておくことが重要となります。
資金調達のみを目的とするのではなく、その手段においても知識をつけることができる方法をとることがベストです。

また、時流をしっかりと予測した上での開業の判断が必要になってきます。
船井総研では“時流適応”という言葉があります。この言葉としては、その時流に沿った事業を展開していくことで大きく成功するという意味合いを含みます。
社労士事務所を開業したうえでどのような業務を行っていくのか、しっかりと時流を予測して判断する力が求められます。

このような事務所を持つ前段階での準備が出来なければ事務所経営も十分にまわすことができません。しっかりとした事前準備を行うことで実際の業務に入る段階でも滞りなく業務をスタートすることが出来、事業成功への素晴らしいスタートダッシュを切ることができます。

b.営業を怠ることなく、顧客獲得ができるか?

士業に対し、“営業”というイメージがわかない人も少なくないのではないでしょうか?
そのイメージはもはや古いものとなってきています。
現在は、士業も競争の時代であり、紹介を繰り返していくことで経営が成り立つような時代ではありません。
営業を怠ってしまっては顧客はどんどん他事務所に逃げていってしまいます。
営業の際には、社労士としての強みや行うことのできる業務内容の幅の広さを顧客に対して明確にアピールすることが重要です。
さらには、それらの多くの業務内容のなかから自分自身の強みの業務に特化をして営業をしていくという手段もあります。弊社の言葉でもある「長所伸展」のように、自分の強みの部分の知識をより深くしていくことによって他の人には真似できない1つの業務に特化した事務所を確立させることが可能になるのです。得意分野を特徴としてアピールすることが出来れば、さらなる顧客獲得につながります。
しっかりとしたマーケティング計画をたてることによって顧客を獲得していくことが、現在の士業業界では最も重要となってきます。

c.成功事例をフル活用することができるか?

先にも述べたように、士業業界は現在競争の時代であり、事務所経営を行っている方々が多くいらっしゃいます。競争相手が多くいると捉えればマイナスな印象を受けますが、プラスに考えれば事業を成功させている事務所も存在するのです。そのような事務所の成功事例をしっかりと分析したうえで、真似をできるところは自分の事務所でも取り入れていくことが事業の成功への最短なルートといえます。つまり、他事務所の成功事例をすんなりと受け入れて真似できるものはどんどん自分のものとして取り入れていってしまうという素直さが事務所経営での大きな差をつけるポイントとなります。

そんな多くの成功事例に触れることができるのが弊社が開催する研究会です。
300近い事務所が参加し、お互いの事務所経営に関する悩みや成功事例を共有しています。 開業の前後はよく分からないことも多く不安もあると思いますが、そのような課題を乗り越えてきた方々と情報交換を行うことによって、課題解決だけでなく事務所の更なる進展への情報を獲得することもできます!

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