社労士が顧問報酬の単価アップを実現するための交渉術は?

建設的に値上げの背景を説明することが重要です。受託人数が増えている、契約以外の業務まで受託している、他社と比べて工数が多く発生しているなどの客観的なデータをもとに文章にまとめて提示されるとよいと受け入れられやすいです。

顧問料の単価アップを成功させるためには、建設的に値上げの背景を説明することが重要です。感覚的に「忙しいから上げてほしい」と伝えるのではなく、数字と事実をもって背景を説明することで、経営者であるクライアントの納得感は格段に高まります。具体的には、以下の3つの視点を整理してみましょう。

1. 受託人数の増加を可視化する

最も分かりやすい指標は、従業員数の変化です。顧問契約を結んだ当初は従業員が10名だった企業が、現在は30名になっている場合、単純計算で事務処理の手間は3倍になっています。 また、人数が増えれば労務トラブルのリスクも比例して高まり、社労士が負うべき責任の範囲も拡大します。「契約当初と比較して、対象となる従業員数がこれだけ増えています」という事実は、誰の目にも明らかな正当な根拠となります。

2. 「契約外業務」の棚卸しを行う

次に重要なのが、知らず知らずのうちに受託してしまっている「契約外業務」の棚卸しです。 本来は手続き業務のみの契約だったはずが、いつの間にか給与計算のチェック、頻繁な労務相談、あるいは助成金の提案まで行っていることはないでしょうか。「ここまでは顧問料の範囲内ですが、現状行っているこの業務は本来、別料金となる範囲です」と線引きを明確に示しましょう。これは、値上げの根拠になるだけでなく、クライアントに「これだけ多くのことをやってくれているのか」と再認識してもらう機会にもなります。

3. 他社と比較した「工数」を提示する

意外と見落としがちなのが、その会社特有の「工数(手間)」です。 従業員数が同じくらいのA社とB社があったとしても、データの整備状況や担当者のリテラシーによって、社労士側の作業時間は大きく異なります。例えば、資料の不備が多く何度もやり取りが発生している場合や、電話相談の頻度が極端に多い場合などは、他社の平均的な工数と比較したデータを提示するのが有効です。「御社の場合、データの確認作業に他社の約1.5倍の時間がかかっており、現在の報酬体系では採算が合わない状況です」と率直かつ丁寧に伝えることで、業務フローの改善か、あるいは報酬アップかの選択肢を提示することができます。

口頭ではなく「書面」で提案する

最後に、これらの根拠を伝える「手段」についてです。交渉の際は、これらをまとめた「報酬改定の提案書」を作成し、書面(またはPDF等)として提示することをお勧めします。

口頭での交渉は、どうしても「お願い」のトーンになりがちですし、言った言わないのトラブルにもなりかねません。しかし、きちんと整えられた書面として提示されると、それはビジネス上の正式な「議題」となります。 「受託人数の推移」「業務範囲の現状と本来の契約内容」「工数データ」を一枚のレポートにまとめ、「次年度以降も質の高いサービスを維持・継続させていただくために、以下の通り報酬の改定をお願い申し上げます」と結ぶのです。

客観的なデータに基づいた論理的な提案であれば、経営者は感情的にならず、経営判断として受け止めてくれます。むしろ、自社の状況を正確に把握し、堂々と交渉できる社労士の姿勢に、プロフェッショナルとしての信頼を感じる経営者も多いものです。

報酬の適正化は、先生自身が疲弊せず、長く安定してクライアントを支えていくための土台作りです。ぜひ、自信を持って「建設的な提案」を行ってみてください。

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