社労士が営業で成功するには?事務所の体制やツールを徹底解説!
「営業」それは多くの社労士事務所様が抱える悩みなのではないでしょうか。
「所長しか営業できない。」
「顧問契約の結び付け方がわからない。」
「職員の営業手法がバラバラで、継続的な受注ができない。」
などの多くの声をお聞きします。
特に開業間もない社労士事務所様では、まず何から始めればいいのか手探り状態であることも多く見受けられます。
しかし、現在皆様も感じて頂いているように「働き方改革」の追い風を受け、社労士事務所様では非常に営業がしやすい環境になっています。
今回は、社労士事務所の多くの皆様がお悩みになる「営業」について、最新の事例をご紹介させていただきたいと思います。
この「働き方改革」の追い風を最大限利用し、一気に顧客の数を増やしましょう!
■社労士事務所の営業体制について
事務所での営業体制はどのように整えていますでしょうか。
冒頭でも述べさせて頂きましたが、「所長だけしか営業ができない」という話をよく伺います。そのような社労士事務所様の現状を見直してみると、値決めは所長のフィーリング、サービスはスポットで受動的になっている、話の内容もその場、その場で違っている・・・という事務所様が多いです。
そこで、
①値段は料金表を作成しそれをお客様に見せるだけ
②商品はパッケージ化にしたり、顧問契約をとる
③話の内容は、何の商品はどんな質問がくることが多くその解答は何なのか、どんな話の構成なのかなどをマニュアル化する
このように整備し、はじめのうちは従業員と一緒に営業をし、だんだんと任せていくことで所長以外の従業員の方も営業ができるようになっていきます。
■増加するホームページ・SNSでの営業
インターネットが普及した昨今、社労士事務所としてホームページ制作は必須です。ただホームページを制作さえすれば自然と人が集まり営業に繋がる…というわけではもちろんありません。
ネット検索で選ばれるホームページを作成するには、検索結果の上位に表示されるようにサイトを作りこむ「SEO」などの知識が重要です。
また、FacebookやInstagramなどでSNS営業を活用する若手の社労士も増えてきています。SNSは若年層に対して高い訴求効果が期待できるため、若手の起業家に対して特に効果があるでしょう。社労士業界は客層の年齢層が高い業界ですので導入している社労士はまだ少ないですが、今後営業相手の顧客を広げるためには必要となってくることが予想されます。
今回の記事ではテレアポやとびこみ営業といった昔ながらの方法で社労士が営業を行う際のポイントについて詳しく解説いたします。
■成功事例から学ぶ4つのステップ別営業ポイント
次に実際の営業でのポイントについてご紹介します。
自事務所で営業をするにあたって4つのステップがあります。
こちら各々について、ステップ別に以下の実績を上げた事例の営業手法も出しながら紹介していきます!
【クラウド勤怠管理システム導入を切り口に以下実績を挙げた事例】
①クラウド勤怠管理システム3年で180台販売
②就業規則30社
③導入説明会+管理職講習40社
・第1ステップ「ターゲットの選定」
まず第1ステップとして、「ターゲットの選定」をしましょう。
力が分散しないように、営業しやすいようにターゲットを絞り込みます。このターゲット選択は、自事務所の強みを活かしたり、時流に合った商品から絞るなどの手法があります。 昨今では、「働き方改革」が時流にあるのでこちらに関係ある商品に注力することをおススメします。
◎クラウド勤怠管理システムの事例だったら・・・
多数の導入に成功している事務所様では、提案先にするのは、既存顧客先のなかでも給与計算実施先または助成金の申請サポートを過去に行った先に絞っています。 なぜならば、賃金台帳等の勤務間インターバル助成金の申請に必要なデータが全てそろっているからです。 このデータがそろっていることで、「助成金申請に関する事前準備のスマート化の実現」や「助成金目的ではなく働き方改革を主軸とした提案が可能」になります。
・第2ステップ「リスト整備」
ターゲットの選定ができましたら、第2ステップとして「リストの整備」を行います。
リストの整備を行うことで、営業する先と進捗状況の見える化を図ります。このことで、営業の追いかけについても担当含め、ぬけ漏れなくみんなで行うことができます。
リストの整備は
①まず、事務所の顧客先や過去の助成金申請先の中から提案できそうな企業のピックアップを行います。
②エクセルやスプレッドシートで図のような「アタックリスト管理表」を作成いたします。
※受注できたところは、赤色。受注できなかったところは黒色などルールを決めリストを塗りつぶすことで、ぱっと見で分かりやすくなります。
・第3ステップ「提案ツール準備」
ターゲットも決めたし、リストも作成したからあとは営業に行って提案するだけだ!とテレアポやとびこみ営業をしようと考えている方、ちょっとお待ちください。 その前に一工夫できるポイントをご紹介いたします!
リストの整備ができましたら、提案先リストの顧客に事前にチラシ等の提案ツールを郵送します。 ↓ 提案ツールが到着してから数日後に電話でアポ取りをします。
例「お世話になっております。〇〇です。数日前に△△様あてに本年度おすすめのサービスのご案内のチラシを郵送させていただいたのですが、届いていますでしょうか~・・・」 ↓ 後日訪問
電話だけでは内容を伝えるのが難しいものもあるので、このように事前に顧客の方に提案ツールを郵送しておくとより丁寧になります。
また資料を見て、お客様のほうから興味があると連絡がくることもあります。
◎クラウド勤怠管理システムの事例だったら・・・
訪問した際に、決算権者と給与計算担当者に同席してもらえるように事前のアポイントで伝えておきます。(給与計算の大変さを引き出し、その場で解決策を提案でき、成約率がアップします)
・第4ステップ「営業提案」
【営業ストーリーを描きましょう!】
どんな流れで会話を進めるのか、大筋のストーリーを考えます。
①アイスブレイク
②お客様の現在の問題点を明確にし、ニーズを喚起する
③この提案がどれだけお客様にもメリットがあるものなのか数字を交えて、相手にも分かるよう説明する
↓具体例
【商談では顧問先の決め手になる3つのメリットを伝えましょう!】
自事務所の商品をとりいれることで、お客様にとってメリットになることを3つあげます。そして、各メリットについて説明していきましょう。
社労士事務所様であること、時流などを踏まえて
「助成金の活用で安く導入できる」
「働き方改革に対応可能」
「生産性向上」
などがあります。
◎クラウド勤怠管理システムの事例だったら・・・
メリット1.働き方改革法改正に対応できる
→システムの導入で有給休暇管理を含んだ労働時間管理が可能となる
メリット2.労務管理に対するニーズの喚起
→紙のタイムカードを使用しているところや複数拠点の給与計算処理を行うところは特に導入メリットが大きい
メリット3.今導入すれば助成金が活用できる
→今導入すればコストも低く抑えることが可能となる
■提携営業のすすめ
「所長しか営業ができず時間に限りがある」、「継続的に受注ができない」などのお悩みを持つ社労士の皆様もいらっしゃるのではないかと思います。そんな方々にお勧めするのがこの提携営業です。提携営業とは、他会社や他事務所と協力して営業することです。
無料で集客できるし、お互い協力することで提携先にも、社労士や提携先のお客様にとっても価値のあることができます。
・提携先提案会社、事務所について
提携組めるなら組みたいけど、いったいどことどうやって組めばいいのか。と迷うかと思います。そこで、以下にどんな会社や事務所とどのような提携を組んでいくのかについて挙げていきます。
①税理士、会計士事務所
◎社労士事務所様のメリット
提携先の税理士事務所、会計事務所の顧問先を紹介してもらう。
◎税理士事務所、会計事務所のメリット
顧問先に労務に関する質問を受けたときに、「分かりません。」で終わらせずに、「詳しい事務所があるので紹介します。」と代替案を出すことができる。このことで顧客満足度も向上する。
②求人広告会社
◎社労士事務所様のメリット
提携先の求人広告会社が営業活動をしてくれる
◎求人広告会社のメリット
助成金と共に求人広告の営業をすることで、求人広告受注をするハードルが下がる。
③設備系の会社
◎社労士事務所様のメリット
勤務間インターバルコースと共に設備導入の販売が一括でできる。
◎設備系の会社のメリット
販売機器の営業を代行してもらうことができる
・提携先(一部例)
①現在社労士の皆様の顧問先にお付き合いしている税理士事務所や会計事務所を紹介していただく。
②顧問先の購入したい設備を販売している会社や、関りがある会社を紹介していただく。
③地元の金融機関
■セミナーの開催
最後にご紹介する営業は、セミナーの開催です。
セミナー営業には3点の目的あります。
1点目は新規顧問先の獲得。
2点目は質の高い見込み客づくり。
3点目は地域における事務所のブランドづくり。
これらの目的を意識し、以下のようなセミナーによる成功事例は数多くあります。では、実際セミナーを開催するにあたってどのように行うのか紹介させていただきます。
・はじめに
全てがゴールの逆算からはじまります。
①目標の受注数を決める。
今年度目標の受注件数が各事務所あると思います。
そのうち何件をセミナーで受注したいのか。そして、年に事務所の状況的に年に何回セミナーを開催するのかを考えます。
そこから、1回あたりの開催で約何社を受注につなげないといけないのか数字がでてきます。
例 今年の新規顧問契約獲得目標30件 ↓ 見込みで15件は新規獲得できるから、残り15件をセミナーで受注する ↓ 年3回開催ぐらいならできそうだから、1回の開催で5社受注する
②セミナー1回あたり必要な参加社数を決める。
一回のセミナー開催で必要な受注数から逆算して、無料相談を受ける社数、セミナー参加社数を決めていきます。
割合としては、セミナー参加者からの面談誘導率は50%、そこからの受注率は30%です。
例
・セミナー開催準備
①決めること
◎テーマ
何のテーマでセミナーを行うのか決めます。最近のよくあるテーマだと「働き方改革」、「助成金」、「採用」の3つがあります。
◎日時
月末月初は忙しい会社が多いので避けましょう。曜日は火曜日・水曜日・木曜日をお勧めします。土曜日、日曜日は休みの会社が多く、月曜日は忙しい会社が多く、金曜日にセミナーを開催するとその後のセミナー参加社への追いかけが遅くなってしまうからです。(この追いかけがセミナー開催にあたって重要になってきます)
◎料金
セミナー参加するための料金を決めます。セミナー開催をしている6~7割の社労士事務所様は無料で行っています。その他の社労士事務所様では1000円から2000円に設定している事務所様もいらっしゃいます。
◎会場
セミナー会場の選定を行います。セミナー開催している社労士事務所様は、集客手段もある商工会議所で行うことが圧倒的に多いです
◎販促手段
何を使ってセミナー参加社の集客を行うか決めます。
例:商工会議所DM・FAXのDM・郵送DM・SNS・メルマガ・テレアポ・・・etc
②参加者事前フォロー
この事前のフォローでセミナー当日の成果の8割は変わります。なぜなら、事前に参加社の状況を聞くことで当日に参加社に対し、どんな対応どんな話をすると刺さるのか仮説をたててから臨むことができるので、一気に無料相談誘導率が上がります。 ヒアリングでは、参加社の企業規模、人事面での課題、現在の課題を詳細に聞きましょう。 その他、事前ヒアリングで簡易版助成金診断を実施し当日配布している事務所もあります。
・セミナー当日
セミナー当日のスケジュールは以下を参考に組み立てます。当日中に無料相談ができるようにする社労士事務所様もいらっしゃいます。
この当日でとても重要なのがアンケート記入です。
アンケートはセミナーの満足度を図るものでなく、無料相談の獲得と後日の営業資料に使うものです。このアンケートの記入率を高めるためにアンケートを回答した方限定で背負う実のセミナー資料をデータで送る事務所様もいらっしゃいます。
実際にアンケート項目では以下について記入してもらいましょう。
①氏名
②役職
③会社名(事務所名)
④講座でよかった点と改善してほしい点
⑤現在抱えている課題
⑥無料相談希望の可否
⑦今後聞きたいテーマ
・セミナー後
最後に、セミナー後のフォローです。
行うことは2つ!
アンケート回答者の追いかけと参加者へのお礼の連絡です。特に重要なのがアンケート回答者への追いかけで、必ず実施していただきたいです。なぜならアンケート回答者の温度感は高く追いかけにより無料相談やその後の受注につながる確率が高いからです。 アンケート未記入だけれど参加した方にはメール、手紙、電話いずれかでお礼の連絡を入れることをお勧めします。余裕がある事務所様は、電話での連絡をしてセミナーでの不明点がないか聞き、そのことについて説明するといって無料相談に誘導することを行っている社労士事務所様もあります。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。社労士の営業のポイントのイメージをつけることはできましたでしょうか。今回は社労士事務所様の営業について、体制の整備から具体的な営業として、自事務所での営業・提携営業・セミナーの開催の3つの手法を紹介させていただきました。しかし、実際行ってみると「こんな時はどうするのだろう?」、「もっと細かく知りたい」などがあると思います。
そんな社労士の皆様にむけて、(株)船井総合研究所では、社労士事務所の皆様が活発に意見や情報交換ができる研究会(会員様数200事務所以上)や、様々な事例からお客様にあったサービスや集客などについて個別にコンサルティングをさせていただく月次支援を行っております。
もし、「もっと他事務所の成功事例とそのポイントが知りたい」や「集客が上手くいかない」などのお悩みがございましたら気軽にお問い合わせください。 私どもは人事労務の観点から、社労士の皆様と共によりよい未来をつくっていきます。
→無料経営相談の申込みはこちら
→研究会お試し参加の申込みはこちら
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
▼2024年時流予測レポートの無料ダウンロードはこちらから