令和4年度概算要求発表。助成金の来年度の方向感・見通しはどうなるのか?
皆さまこんにちは!
船井総合研究所の岩本です。
令和4年度の概算要求が8月31日に締め切られ、各省庁から過去最大となる110兆円規模の要求額が提示されました。
厚生労働省の要求額は過去最大
厚生労働省は省庁別の要求額で最大となる33兆9450億円で、こちらも過去最大が更新されています。
今回は厚生労働省の令和4年度概算要求からみた、来年度の助成金動向について確認していきます。
令和3年度予算対比でそれぞれの助成金がどのように次年度に予算化されているのかについて、
厚生労働省から公開されている「令和4年度予算概算要求の主要事項」をもとに見ていきます。
元データは下記をご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/22syokan/dl/01-02.pdf
予算概算要求から見た「助成金」関連のキーワード
以下、「令和4年度予算概算要求の主要事項」から助成金関連と思われる項目を原文そのままで抜粋しています。
詳細に関しては元データをご参照ください。
なお、令和3年度予算対比で増額しているものは青色、減額しているものは赤色で色分けしています。
※予算額は正味の金額がすべて助成金に割り当てられるとは限らず、あくまで目安としてご覧ください
※予算編成のタイミングで金額の増減は多分に考えられます
▼第1・第2
該当の記載記載見当たらず
▼第3 健康で安全な生活の確保
・受動喫煙対策の推進(14億円→14億円・令和3年度比100%)
→受動喫煙の防止に関する制度の周知・定着を図るため、飲食店等における喫煙専用室等の整備への助成
▼第4 雇用の確保や労働移動の推進、女性や就職氷河期世代、高齢者等の多様な人材の活躍促進
・雇用調整助成金等による雇用維持の取組への支援(6,273億円)
→雇用調整助成金等により、休業、教育訓練、出向を通じて雇用維持に取組む事業主を支援する
・産業雇用安定助成金等による在籍型出向の取組への支援(537億円)
→在籍型出向を活用して労働者の雇用維持を図る事業主及び当該労働者を受け入れる事業主を一体的に支援するとともに、産業雇用安定センターによる企業間のマッチングを推進する。
・雇用と福祉の連携による離職者への介護・障害福祉分野への就職支援(26億円→33億円・令和3年度比126.9%)
→就職後の職場定着に向けた取り組みとして雇用管理改善に関する事業主への助成等を実施する
・男性が育児休業を取得しやすい環境の整備に向けた企業の取組支援(136億円→125億円・令和3年度比91.9%)
→育児休業の制度等に係る周知・啓発や助成金による支援を引き続き実施する
・不妊治療と仕事の両立支援(5億円→5.1億円・令和3年度比102%)
→不妊治療を受けやすい職場環境を整備するため、両立支援担当者等を対象とした研修等を実施するとともに、不妊治療のために利用できる特別休暇制度(多目的・特定目的とも可)を新たに導入する中小企業事業主や、当該休暇制度や時差出勤・フレックスタイム制等の柔軟な働き方を活用しやすい職場環境の整備に取り組む中小企業事業主に対して助成を行う
・新型コロナウイルス感染症による小学校等の臨時休業等に対応した特別有給休暇制度導入等への取組支援(113億円の内数→102億円の内数・令和3年度比90.3%)
→新型コロナウイルス感染症への対応として、小学校等の臨時休業等により子どもの世話をする労働者のために、特別な有給休暇制度(労働基準法上の年次有給休暇を除く。)とともに、フレックスタイム制度等の学校休業等があっても継続勤務できる両立支援制度を導入し、特別な有給休暇制度を取得させた企業に対して助成金による支援を実施する。
・新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による特別有給休暇制度導入等への取組支援(9.8億円→5億円・令和3年度比51.0%)
→新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により、医師等の指導に基づき、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者に有給の休暇を取得させる事業主に対して、特別な有給休暇制度の導入に係る助成や休暇の取得に係る助成等を行う。
・就職氷河期世代の失業者等を正社員で雇い入れる企業への助成金等の活用(14億円→21億円・令和3年度比150%)
→事業主への助成金の支給により、就職氷河期世代の方の正社員としての就職を推進する
▼第5 労働環境の整備、生産性向上の推進
・良質なテレワークの導入・定着促進(28億円→19億円・令和3年度比67.9%)
→良質なテレワークの導入を図る中小企業に対して助成金による支援を実施
・職場における感染防止対策等の推進(9.8億円→10億円・令和3年度比102.0%)
→高年齢労働者の感染防止対策を推進するため、社会福祉施設や飲食店等における利用者等と密に接する業務を簡素化するための設備の機械化等に係る経費の補助等
・生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む事業者等の支援(90億円→82億円・令和3年度比91.1%)
→生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む中小企業・小規模事業者に対して助成を行う
・自動車運送業、建設業、情報サービス業における勤務環境の改善(54億円→59億円・令和3年度比109.3%)
→自動車運送業については、生産性向上を図りながら労働時間短縮に取り組むための助成金の活用を促進する
→建設業については、生産性向上を図りながら労働時間短縮に取り組むための助成金の活用を促進する
・勤務間インターバル制度の導入促進(24億円→27億円・令和3年度比112.5%)
→中小企業が活用できる助成金制度を推進する
・高齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う企業への支援(6.5億円→7.4億円・令和3年度比113.8%)
→中小企業による高年齢労働者の安全・健康確保措置を支援するための助成を行う
・最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等に取り組む企業への支援(12億円→34億円・令和3年度比283.3%)
→最低賃金・賃金の引上げには、特に中小企業・小規模事業者の生産性向上が不可欠であり、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う中小企業・小規模事業者に対する業務改善助成金の充実により、業務改善や生産性向上に係る企業のニーズに応え、その賃金引上げを支援する。
・非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善を行う企業への支援(738億円の内数→565億円の内数・令和3年度比76.6%)
→キャリアアップ助成金の助成対象を正社員待遇を受ける労働者に転換した場合に絞り込むなどの見直しを行い、非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善を推進する。
・治療と仕事の両立支援に関する取組の促進(16億円→15億円・令和3年度比93.8%)
→治療と仕事の両立を図るための制度の導入を図る企業に対して助成
▼第6~第10
該当の記載記載見当たらず
キーワードは「コロナ対応」「最低賃金引き上げ」「キャリアアップ」
令和4年度は、引き続き雇調金を中心にコロナ関連助成金が厚く予算化されるとともに、
最低賃金を全国平均1,000円に引き上げるための助成金施策(業務改善助成金)への要求が目立ちます。
また、定番助成金であるキャリアアップ助成金については
「キャリアアップ助成金の助成対象を正社員待遇を受ける労働者に転換した場合に絞り込むなどの見直し」とあり、
無期転換ではなく正社員転換への推進がはかられるものと考えられます。
引き続き令和4年度の予算編成については注目していきたいと思います。
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【執筆者:岩本 和真】