【社労士業界】時流予測レポート2025

▼2025年時流予測レポートの無料ダウンロードはこちらから

本コラムをお読みいただきありがとうございます。

はじめに

今回のコラムでは、「社労士事務所経営実態白書2025」の内容に基づき、社労士業界の現状と今後の予測について、経営者の皆様が2025年に向けてどのように経営の舵を切るべきかのヒントをお伝えします。
船井総研の社労士事務所経営研究会・公的制度支援経営研究会の会員126社の経営アンケートデータを集計したもので、業界のリアルな実態が把握できます。
ぜひ最後までお読みいただき、貴社の経営戦略にお役立てください。

社労士業界の時流についての解説

法人分野の現状

2023年から2024年にかけて、社労士事務所の売上は中央値ベースで111％成長しました。売上高の中央値は6,500万円から7,200万円に増加し、回答社労士事務所126社の売上平均値は初めて1億円を突破しました。
コロナ禍の雇用調整助成金特需が終了した後、売上が減少傾向にあった業界ですが、2022年から増収基調に戻り、過去最高の売上を記録しています。
売上アップした事務所と売上ダウンした事務所の差が顕著になっています。

売上アップの要因としては、
•M&Aによる事業拡大
•企業型確定拠出年金や中堅大手向けの給与計算BPOなどの新商品の売上拡大が挙げられます。

一方、売上ダウンの背景には、
•新規顧客の増加が少ない
•解約が多い
•正社員の退職といった要因があるようです。

新規顧客の販促方法としては、紹介に依存しているケースが多く、Webマーケティングやセミナー集客などのダイレクトマーケティングに注力していく必要があります。

障害年金分野の現状

障害年金分野においては、新規裁定数が増加傾向にあります。
障害年金事業の売上も増加しており、2023年の売上中央値は2,342万円、2024年の売上見込み中央値は2,466万円となっています。
1人あたりの売上は1,083万円と、社労士業務の中でも高生産性です。

今後の予測と取るべき戦略

法人分野の予測と戦略

2025年のテーマは、SGC（持続的成長）を求める経営戦略です。
SGCとは、どんな状況でも業績を伸ばし、企業価値を持続的に向上できる「強さ」と、より遠いステークホルダー・一人ひとりを思いやれる「優しさ」を兼ね備えた会社のことを指します。
SGC実現に向けた4つのキーワードは、生産性向上、商品戦略、成長戦略、マーケティング戦略です。

•生産性向上：労働人口が減少する中で、従業員1名あたりの売上を向上させ、持続的な賃上げを実現する必要があります。

•商品戦略：労務相談の延長ではない、新たな商品戦略が必要です。2025年の時流商品としては、給与計算BPO、企業型確定拠出年金、賃上げ関連助成金が挙げられます。

•成長戦略：他事務所の買収、BPOセンター設立、株式会社の新設、事業承継、生成AI導入、新規事業立ち上げなど、多角的な打ち手を検討する必要があります。

•マーケティング戦略：紹介に依存せず、Webマーケティングやセミナー集客など、積極的に展開していく必要があります。
売上の3~5%は広告宣伝費として予算化し、計画的にマーケティングを実施しましょう。

障害年金分野の予測と戦略

障害年金分野においては、AI活用によるさらなる生産性向上が期待されます。
文字起こしアプリやChat GPTを活用し、1案件あたりにかかる時間を短縮することを目指しましょう。
また、障害者のトータルサポートができる事務所を目指すことが重要です。
障害年金だけでなく、成年後見や就労移行支援など、相談者の満足度を高めるためのサービスを拡充しましょう。